Youtubeが映像情報発信のメインストリームになり、誰でも気軽に発信できるようになりました。社内のがんばりをアピールして会社にそして商品に共感してもらう広報番組に注目が集まっています。
「それは知ってるけど、Youtubeで広報番組の作りなんかしたことないし、わからないよ」
という声を聞きます。
でも、ネット配信番組の制作で検索すると皆さんが想像しているよりもっとガッチリした制作会社がでてきて、価格見てびっくり、
「いやいやそんなんじゃない!」
ということもありますよね。
実は映像制作と配信会社が実は成り立ちが違うため、丁度いい具合な会社がないのが現状でなんです。
Youtube番組配信は無料でできるのでやらない手はない!
しかし予算が…という方に今回はその方法をストーリー仕立て、2〜3人の少人数で番組をつくる方法も書かせていただきました。社内での広報番組をづくりを通して行う際の注意点と映像をきちんと見てもらうための具体策を含めてご説明してますので最後まで御覧ください。
いろいろなものを社内で行うなら社内スタッフで予算を徹底的に抑えられます!ひょっとすると
広報配信番組を外注予算なしで行う⁉ こともできるかも⁉
Point
Point1.広報番組をつくるには予算が必要です。
本来は番組制作には当然予算がかかります。
どのような予算がかかると思いますか?
2018年のSmartFlashさんの記事によると
世界の果てまでイッテQは一本あたり3,000万円かかるという話です。
キー局とは予算が異なりますが、基本的に【仕事料と質で費用がかわる】とお考えください。
番組費用の項目をざっくりいうと
・出演者のギャランティー
・シナリオや構成などのプリプロダクション制作費
・撮影費
・編集やナレーション収録などのポストプロダクション制作費
です。
予算はまちまちですが、制作会社に頼むと出演者のギャランティーは別で、
配信番組制作1本あたり30〜50万円は掛かります。
びっくりしましたか?
それでもイッテQよりは激安です(笑)
(もちろんやれることもイッテQより少ないですけどね)
ネット配信番組制作予算は大体ですが、外注さんに頼むと
プリプロダクション 10万円〜
撮影費(配信費) 10万円〜
ポストプロダクション(挿入ビデオの編集費) 10万円〜
という具合です。
先程の業者の振り分けでいうとプリプロ、ポスプロを丁寧に行うのが制作会社、撮影に特化して配信していくのが配信会社です。
配信会社でもプリプロを行う所もありますが、最初に提示された料金は配信費のみというところが多いです。
もちろん予算は規模によって当然変わってきます。
前に所属していたCSの放送局で「番組予算は?」と社長に聞いたら
バカヤロ〜、番組予算はお前の人件費だ!
と言われましたが、番組制作は一人の人件費でなんとかなるものではありません。
(私は年間200本ぐらい作っていたのでなんとかなったのか笑)
Point2.番組制作のプリプロダクションって何やるの?
プリプロダクションはプリつまり【前】のことですので制作する前の作業のことです。実はもっとも重要な要素です。
企画コンセプト設計
制作の準備
シナリオ作成
制作の進行
などを行います。
◆番組の企画・コンセプトの設計とは◆
番組において「ターゲットは誰か?」「どのような変化をもたらすか?」「エンゲージメントは何か?」などを決めて番組の骨格を作る作業です。
実はこの段階をスルーして配信だけ!という方が多くいらっしゃいます(見ていてわかります)。ですが、ここは非常に重要なのでしっかりと決めたほうが良いです。
企画・コンセプト設計に関してはまた別の記事をいずれあげさせていただきますが、社内で配信を決定したらここはしっかり決めておいたほうが良いです。
コンセプトシートなどを利用してまとめておいたほうがよいです。
コンセプトが決まったら制作の準備です。
◆制作の準備◆
制作の準備は本来コンセプト設計とシナリオづくりの間に行われるものです。
コンセプトに沿って
出演してもらうタレントさんや撮影スタッフのスケジュール調整は?
スタジオや小道具の準備は?
中継が必要な場合はどのような手段がいるのか?
番組の途中にどのようなVTRなどを挿入するのか?
番組ロゴなどデザイン周りはどうなのか?
を次々に決めていく必要があります。
この部分を疎かにすると
かっこ悪い放送になります。
プロモーションが大きなウェイトを占めると思いますので、この部分はきちっと決めておきましょう。
ダダ流しの放送でOKということを言う方もいらっしゃいますが、通常はきちんと準備しておく必要があります(ダダ流しができるのは一部の限られた有名人だけですのでご注意ください)
◆シナリオ作成◆
さて、実は制作の準備と若干被りながらシナリオ作成を作っていきます。
タレントさんを誰にするか?など根幹を決めてからでないとシナリオをつくってもやり直しになるし、番組のシナリオをつくっていくうちに小道具などが必要になってくるということもあるので、ほとんど同時並行といっても過言ではありません。
ただし、シナリオ作成の際にコンセプトが決まっていないと毎回番組がダラダラしてしまい、伝えることもブレブレになるのでコンセプトは必ず先に決めてください。
色々と情報が入ってくることでどんな流れなのかがわからなくなったら
【コンセプトに立ち戻る】
ということでブレを軽減させます。
シナリオ作成はターゲットに沿って対象の気持ちの変化(誘導)とエンゲージメントを意識して作ります。
例えば最近のユニセフのウクライナの支援のYoutube広告を例にしてシナリオを見ていきましょう。
分析するに、このコンセプトは【ウクライナの現状を知ってもらい応援してもらう】というものでしょう。
そして視聴者にもたらす変化(誘導)としては【自分の身に置き換え共感させる】かと思います。
最後のエンゲージメントは【募金してもらう】です。
そしてこれはそれらを意識して作られています。
これらを意識してつくることは重要なんです。
◆そして制作進行です◆
収録スケジュールや担当者との連絡調整、移動手段の手配や消耗品購入など地味な印象がありますが、屋台骨です。
ここが良くない制作は
現場の雰囲気が悪くなりますので長く番組をつくることができません。
例えば当日のスタッフのお弁当の手配!
これを忘れたりするとテンションがだだ下がりします(食いしん坊Dですね)
以上の前段階がプリプロダクションということになります。
Point3.制作の花形、撮影に関して
撮影は映像制作会社にとって一番アピールできる箇所です。
なんの機材を使って、自分はすごくきれいな映像を撮影できますよ!
という点ですし、皆さんもそう思うと思います。
確かに、汚い映像より綺麗な方が絶対的に良いです。
ただし、配信に関しては
大多数の人がFHD画質(1920×1080)でしか楽しめない
ことを前提に考えてください。
4Kがばっちり見れる環境の人をターゲットにすることは得策ではありません。
きちんと見れることが大前提ですが、20万円以上のカメラを使っていれば(厳密に言えば表現力はレンズに依存します)Youtubeに配信する場合ほとんど変わりないんです。つまり100万円の機材でも20万円の機材でも配信の場合変わりがないということです。
Point4.映像制作の最後はポストプロダクション
ポストプロダクションとはポストつまり、撮影後の作業のことです。
編集にも色々ありますが、関わる人々は
カラーグレーディング
映像編集
音楽編集
ナレーション収録、効果音や音楽の調整などのMA
などがおります。
実は一番時間がかかるものはこちらです。
なので編集作業を行えば行うほどお金がかかります。
配信でビデオを挿入しない場合はここはかかりません。
お安く済ませたい!と思ったら
低予算の配信番組なら生放送で生中継!と覚えておいてください。
でも、たくさんの専門職種が長年の経験で仕事しますので仕上がりは確かです。
ただし、最終的な着地点が仕上がりの良さなのか?
はじっくり考えてみてください。
最近では1万円でYoutubeの作業をする若い学生あがりのアルバイトがいるそうですが、使い捨てにならないことを祈るばかりです。
Point5.配信の着地点はどこですか?
どんなクオリティの番組を何本作るのか?
どれぐらいの期間行うように考えているのか?
ファンはどうやってつくるのか?
といった細かい目標も立てておきましょう。
Youtubeであろうが番組をつくるのはひとつの事業です。
ここで重要になってくるのは
惹きつけるのは美しい映像ではなく内容だ。
ということです。
これは、私が大好きな番組「ヒューマングルメンタリーオモウマい店」です。
現代に求められる番組の本質はこれだ!という風に思います。是非御覧ください。
ディレクターが一人でカメラを回したり交渉したり、とにかく総合DからのOKが出て、撮影クルーが来るまでは一人で一緒に張り付き生活をともにすることもあります。
つまり、良い機材を使って美しい映像を提供するよりも、人が一生懸命心を込めている部分に共感するという構造が今、求められているんです。
自社で番組を作る!という場合、この共感のポイントがなんなのか?を徹底的に洗い出してコンセプトにまとめる必要があると思います。
そうすれば低価格でも太刀打ちできるものが作れます。
(ただし、オモウマい店はお店探しや交渉などに人件費がかなりかかっていますけどね)
Point6.小規模スタッフ番組を安価につくる際の考え方
とにかく安くしたいから全部自分でやる!
という考え方は非常に番組の可能性を狭くしてしまいます。
基本的には
番組制作に様々な人を巻き込む
というスタンスが必要です。
では具体的に50人ぐらいの会社の広報番組を例にとって考えてみましょう。
堂賀(どうが)広報室長!
Youtubeで我社の番組をつくってみてくれよ。
江来(えらい)社長、承知しました。
『とはいえ我が部署はデザイナーの柄柿(えかき)くんと2人…果たしてできるのかなぁ?』
突然、社長から広報室に【Youtubeでの広報番組を作ろう】という打診がでました。
広報スタッフは室長、デザイナーの2名です。
よし、お手伝いしちゃいますよ!
まずは堂賀さんはこれからディレクターです。
最初に
ディレクター(以下D)は番組のコンセプトや誰をメインMCにするか?などを決めていきましょう。
なるほど、広報紙を作っているので芸達者な社員や出てくれそうな社員のあてがあります。
会社のPVとしての番組なのである程度の視聴数やその先に顧客になってもらうためのエンゲージメントを設定し、番組名を決め、ロゴマークや番組で使うテロップベースなどを作成します。
制作はデザイナーの柄柿さん
はい、映像の制作はやってことないけど、ネットで研究してそれっぽい絵を書いてみます
堂賀Dが中心になって企画を進めてください。
大枠ができたら社長に確認取ってくださいね。土壇場でやりなおしという会社を結構みてきましたので(^_^;)
番組の企画を練り、発信力のある地元のアイドルを使って番組を作ることにしました。予算は社長からOKもらいました。
宣材写真をいただき、広報用のちらしと配信用のチャンネル素材を柄柿さんよろしく。
がってん承知です!
ご当地アイドルの写真を頂いたのでそちらで色々つくってみます。
がってん承知って古いね(笑)
Dは番組のシナリオを作成し、制作準備をしていってみてください。
誰かビデオカメラをやってくれる人いないですかね?
社内写真コンテストで入賞した亀良(かめよし)さんにお願いしました。
所属部署に配信時だけ予定を空けてらうようにしました。
堂賀Dは技術的なことはやらず、指示を出すことに専念しましょう。
ディレクターは全体の進行を把握して人を動かすのが一番の仕事なんです。
制作の進行、つまり様々な細かい調整は室長ではなくデザイナーに少し任せましょう。仕事の分担も重要です。
配信の手続きをYoutube上で行います。この際VSEO(動画サーチエンジン最適化)を行っておきます。またアイドルのTwitterなどで番組の拡散をお願いします。
配信機材は10万円のカメラ、HDMI−USBキャプチャデバイス、音声キャプチャデバイス、ピンマイク、PCでOBSにて配信します。
本番スタート!
地元アイドルを呼んで台本に沿って配信開始します。
配信が終了したらスタッフの労をねぎらい、参加してくれた人(コメントを入れてくれた人も含み番組に関わったすべての人)に感謝しましょう。コメントを返したりDMを入れましょうね。
ちょっとしたトラブルはありましたが、おかげさまで無事配信を終えることができました。初回はアイドルのファンと身内を中心にかなり見てもらえました。
配信時に起きた問題を少しミーティングします。この際、トラブルや失敗は常に起こるので制度を上げていく方法はどうすべきか?という点に注目し、ミスを責めるということはやめましょう。
VSEO(動画SEO)もきちっとやりましょう。前もってやっておく必要があるとは思いますが、配信中に起きたグッドハプニングを概要欄に書いたりしておもしろく仕上げます。
アイドルや自社のサイトで配信がうまくいったことを報告しました。また、次回配信用の説明も書いておきました。
堂賀ディレクターお疲れ様でした。
番組は続いていきます。
旬の企画を取り込むのと、途中で脱落しないようにする工夫も必要ですね。
頑張ってください!
私、山崎がやっている番組もご参考までに掲載しておきます。
ご参考ににしてみてくださいね。
こちらの番組ですが、様々な工夫をしています。
私の他に弊社の小山田がアイキャッチを担当していますが、演者は3名(歌手タレントさん、お笑い芸人、ブロガーとすべてプロです)おります。
演者に拡散してもらうという部分は番組のスタートダッシュにはもってこいです。
もし全国に見てもらいたい場合は全国的に知名度のある方をMCに起用してその方の知名度で発信してもらうことが何より重要です。
そのためには予算が必要になります。
ゼロ円で社内でもできますが、成長までにはかなり時間がかかることを覚えておいてください。ちなみにVSEOをきちっとやる場合は毎日のアップロードが何より重要です。
この例にはありませんが、カメラを複数台使う、イベントの模様をビデオにまとめるなど、行う場合は他にスタッフが必要になります。配信スパンが1週間の場合は配信前日にイベントが〜ということもあったりして、ビデオを即日アップするなんていうことも必要です。
先程の番組の途中に挿入されていたイベントは10時から14時ぐらいまで撮影し17時には確認のため各所に送りましたが、確認してもらうためにはそれぐらいのスピードでビデオをつくらなければなりません。
そのためにオススメなのがスマホでのビデオ制作です。
スマホで撮影し、編集するとものすごく早くビデオをアップすることができます。
是非こちらもご覧いただき、ご活用ください。
話がそれますが、以前、とある学校関係のIT企業にこう言われました。
「Youtubeなんていうなんの利益をもたらすかわからないものに20万円はかけれない」
インタビューの番組の見積もりでしたが、なんとなく前にいたCSの社長(医療機関の事務部長でした)のバカヤロー発言に近いものを感じました。もちろん気持ちがわからないではありません。
しかし、それを言い出したら広告は全て無駄ですね…
しかし、その会社にこそ、配信番組制作の内製化がオススメです。
低予算でチャレンジする、最初はもちだしで…それは致し方ありません。
しかし社内内製を行う場合、映像制作による過度な業務の集中が離職や社内不和など悲劇を呼びますので、広報の担当スタッフのご用意をお忘れなく。
もしそんな人員が必要な場合は地域にあぶれている映像制作者(特に若者)はたくさんおります。そういった芸術系の雇用にご理解をいただけますと同じ制作者として後輩が活躍できますので嬉しいです。
具体的にどう予算を削っていくか?
などを弊社にご相談いただくことも可能です。
部分的に手伝ってほしいという場合も承っております。
初回無料相談をご利用ください。
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