今年、すみだストリートジャズフェスティバル2023、第48回越谷市民まつり、こしがや産業フェスタ2023を2日間、計4日間の生配信を行いました。
LiveUを中継先の配信カメラとして利用したり、基地局としてLiveUを利用する方法をそれぞれ行いました。
備忘録として書いていきたいと思います。基本的な機材はMacBookとOBSです。
本ブログで書かれること
をそれぞれ書いていこうと思います。
LiveUってどんなもの?できることとできないこと。
ある日、中継をStreamyardからではなく、きちんと途切れないようにするにはどうしたらいい?
という相談を受けました。
そこで将棋の第75回名人戦で中継先として利用したLiveUを思いつきました。
その時の写真がこちら、2016年にAbemaで現地Dをやりました。
それからLiveUにミニ版のsoloというシリーズが登場して、パンダスタジオでレンタルが安くできるということで早速ポチったわけなんですが、この時、ものすごい勘違いをしていました。
パンダスタジオの説明の図で
Wi-fiが繋がります!
という説明があったので、
ルーター的な利用の仕方ができるもの
と勝手な解釈をしてしまったのですが、LiveUは
【映像入力(HDMI・SDI)から入ってきたものをYoutubeなどRTMPサーバへアップする機械】
なんです。
ルーター的な使い方はできませんので、これから使おうと思う方はお間違いのないように!
おそらく一般的な使い方としては
スイッチャーからの映像をLiveUから特定のチャンネルにアップロードする
という使い方になります。
そちらについては様々な方が書かれていらっしゃいますし、そんなに難しいものではありません。
スイッチャーからHDMI(もしくはSDI)の映像をLiveUに接続し、LiveUのサイトに指定のIDとパスワードでアクセスして接続を開始するだけです。
とっても簡単!
しかし、私がやりたかったことは違います。
もうちょっと複雑なんです、何故ならお金と労力をケチったからです。
2種類やりました。
①イベント会場に基地局を設置、携帯電話からStreamyardを使って連携
②弊社スタジオが基地局でOBS配信、中継先のカメラの配信をLiveUから行う
これらは思ったより難しかったです。
どこのサイトを見ても詳しく書いてない…果たしてそんな事が可能なのか?
それでは①イベント会場に基地局を設置、携帯電話で中継するパターンのセッティングをご紹介します。
LiveUを基地局として使うセッティング
LiveUは前述したとおり、映像入力に入ってきた信号をRTMPサーバへと出力する機械です。
イベント会場に持ち込んで発信する際、一番セッティングが簡単なのはスイッチャーから出力した映像をLiveUに入力して発信する事です。
ただ、それだと重装備になります。
今回は可能な限り軽装備かつ、配信が途切れないためにLiveUを使いたいという事でのセッティングが必要になりました。
☆主な機材☆
■MacBook Pro
・MacBook Proのカメラデバイスを利用
・OBS
・ポン出しビデオ(mp4)
・Streamyard
■ZoomAMS-24
・マイク2本接続
■LiveU Solo
・MacBook ProからOBS送出
■携帯
・Streamyard
・スタビライザー
完成した配信はこちら
1日目の問題点はLiveUとMacBook Proの接続(音声)がうまくいかず20分ほど押しての配信
MacBookからLiveUに接続する時、音声の出力はBlackHoleを使っているんですが、複数出力装置に何故かLiveUのHDMIAudioがグレーアウト。
LiveUを再起動してなんとかHDMIAudioが出現。
ここに至るまで20分押してしまいました…行きた心地がしない…
こんなトラブルのときはLiveUを再起動、パソコンの再起動で対応しましょう…
ちなみに、他にいい方法があったのかもしれませんが、LiveUへの映像出力はHDMIで接続して
全画面プロジェクター(プレビュー)
でHDMIを選択します。
たまに、調子が悪いと、このHDMIが1280出力と720Pでてきましたが、FullHD1080Pでの接続になるので接続がうまく言っているかどうかの判断になりました。
続いて2日目。
2日目は越谷市福田市長が配信でインタビュー出演してくださいました。
2日目のトラブルはMacBook ProのHDMI出力の接続が甘かったようで市長のインタビュー時にPCを少し回した所、映像が途切れてしまい…配信が中断。
LiveUは映像入力が切れてしまった場合、1分以内に再接続できれば復旧するという仕様の筈なんですが、何故か接続してもOBSの全画面プロジェクターで接続先を見るとLiveUは720P表示。
こうなったらもうLiveUを再起動するしかありません。
LiveUは専用のWebサイトで配信の設定を行いますが、通信機器が接続されて配信が可能になるまで3分ほどかかります。
Youtubeの配信の場合は、RTMP接続とStreamKeyさえ同じであれば再接続して再配信できますので、気持ちをおちつけて再起動しましょう。
あとは、再接続後の音声をMCに任せっきりにしてしまったので基地局の音声が割れちゃいました…ZoomAMS-24を利用したんですが、小さくて良いんですが音声のレベルメーターがなく、周りの音がうるさい会場だと割れているのが分かりづらかったようです。
実はこの日の配信はやるつもりがなかったのですが、この日のディレクターがまさかの来ないという状況で走り回っちゃいました。
さて、セッティングの中にStreamyardというキーワードが入っておりました。
2日間とも携帯電話での中継を途中に入れております。
しかし、ここで問題が…
StreamyardというソフトはカメラデバイスとしてOBSを選択することはできますが、今回は最終的にOBSの全画面プロジェクターを出力する必要がありました。
色々と考えて…結局、OBSのスクリーンキャプチャにしました。
1日目は左上にスケジュール済みと出てしまっておりました…
試みとしては非常に面白いものだったのではないかな?
と思います。
基地局からの配信とスマホからの中継を両立すればイベントを200%伝えることができます。
ちなみにStreamyardは複数のスマホからによる中継ができますが、LINEやSkypeなどの映像通話アプリとの連携でも可能です。
LiveUを中継先のカメラとして利用する場合のセッティング
前述したAbema TVの名人戦で生中継していたので技術的には可能であることはわかっていました。
でも、Abemaや地方局での利用の際は高額なH264デコーダーが設置されているので比較的高画質の配信ができます。
今回H264デコーダーを使わずにできないものか?と、まぁ予算がほとんどないので余計な(本当は必要ですよ!)機材をつかわずにできたら嬉しいなということでめちゃくちゃ考えて機材を構成しました。
個人的な興味でやったのですが、かなりの時間を使ってしまい先月の売上はめちゃくちゃ下がりました…
完成品はこちらです。
構成は
☆スタジオ(LILACスタジオ)
■MacBook Pro
・OBS
・ぽん出しビデオ(mp4)
・Streamyard
■映像情報プロンプター(弊社デリバリースタジオ)
・GH5s
・Blackmagic Web presenter(キャプチャデバイスとして)
☆中継先
■LiveU Solo
・ビデオカメラ
・スタビライザー
・LiveUバッテリー
■携帯
・Streamyard
・スタビライザー
さて、このセッティングですが、スタジオのPCにRTMPサーバが必須です。
MacでのRTMPサーバはnginxの導入が必要になります。
ターミナルを使えない方はすっごく時間がかかるのであまりおすすめできません。
また、ルーターのセッティングを行わなければならないのでルーターのセッティングを全くやったことがない方やセキュリティに関して不安のある方は行わないでください。
あくまで自己責任で!
まずはnginxからご紹介しましょう。
nginxがRTMPサーバ入りでインストールされていないとLiveUからの映像データをOBSに表示させることができません。
私が参考にしたサイトはこちらです
https://qiita.com/kiyu_knowledges/items/062ff23d334a24c4efec
nginxをインストールしたら起動してください。
$sudo nginx
で起動後、
http://localhost/
とブラウザに入力して起動を確認してください。
以下の表示になるはずです。
起動ができていたらOK。
さて、RTMPサーバが動作しました。
しかし、このままではLiveUの映像はOBSまで届きません。
何故ならルーターの手前で映像の情報が止まってしまうからです。
そこでルーターの設定を整えましょう。
情報が通るように穴を開けるわけです。
(誰かに知られたら悪さされちゃうかもしれません、自己責任で)
RTMPサーバのconfigファイルの設定で
listen1935;
という一文がありましたね、以下です。
これはポート1935を開いて迎え入れてね
という意味です。
LiveUからの映像をこの1935のポートからコンピューターに入れるという意味です。
ルーターの設定をみましょう。
お手持ちのルーターのマニュアルを参照にポートを開放します。
ここはそれぞれのルーターの環境によります
私の場合…
こんな感じでポートマッピングを設定してあります。
きちんとポートが開かれているかどうかを確認する場合。
を利用してPingを打ってみます。
現在のIPアドレスでグローバルIPを確認しつつ、
ポートチェックで1935を入れてPortチェック実行を行ってみましょう。
無料で〜のチェックを入れてPortチェック実行を押すと
無事に通れば開放されているという意味です。
ここには写真はありませんが、80のポートと1935のポートの開放が確認できたらOKです。
さて、ポートが開放されました。
LiveUのサイトでRTMPサーバの設定を行います。
Liveusoloはこちらのページから配信スタートを実行します。
LiveUsoloのサイトを開いて新しい配信先チェック、
RTMPサーバ(Generic)を選択して、
ストリームURLを
rtmp://グローバルIP:1935/live
とし、ストリームキーを
任意の英数字
とします。
そして映像をLiveUに入れて配信ができる状態になっていることを確認したら配信してみてください。
これで、LiveUから皆さんのコンピュータに映像が送られてきているのですが、OBSにはまだ届きません。
OBS側の設定を行う必要があります。
ソースとしてメディアソースを選択してプロパティを表示してローカルファイルのチェックボックスを外して
入力の所に
rtmp://127.0.0.1:1935/live/ストリームキー
入力フォーマットに一応rtmpと入れておきましょう。
最初入力部分に、グローバルIPを入れて…あれ?届かない…とやってしまいました。
ネットの世界の住所がグローバルIPで、サーバはその住所の家に設置されているので、ここはローカル127.0.0.1になるということですね。
この際ネットワークバッファリングを大きくし、再接続の遅延を少なくすると低遅延、高画質を実現できると思いますが、止まってしまうこともあります。
調整しながらお手持ちの環境にあわせましょう。
これで配信ができるのですが…
実はLiveUでRTMPサーバの受信を行うと、通常接続の際に一時黒味が出てしまい状況が起きることがありました。
おや?と思ったのですが、OBSの仕様のような形で、画面上に出た時に接続がスタートするということのようです。
生配信でいちいち黒味がでてしまうのは事故ですので配信としてもいただけません。
この症状を回避するためにOBSで
スタジオモード
を利用すると、この症状を回避できます。
というか、スタジオモードでも最初は黒味になってしまいますが、普及した瞬間にOAすれば事故にはならないのでこれが最善かと思います。
これでみなさんもLiveU Soloを使って高画質の配信ができるようになったと思います。
ただし、LiveUだけではなく配信用のPCも止まりにくいもの、不安定ではない配信ソフトが必要です。
株式会社山崎メディアミックスでは様々な配信を行っております。
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